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2021年7月14日 (水)

重星の書籍「THE CAMBRIDGE DOUBLE STAR ATLAS」と「AN ANTHOLOGY OF VISUAL DOUBLE STARS」

Book_double_star_1

 どちらもケンブリッジ大学出版(?)から出ている重星に特化した書籍です。

 真の重星好きはワシントン重星(WDS)カタログなんかを愛でながら観望の計画でも立てるのでしょうが、私も嫌いではないものの、さすがにあれを長時間凝視しているとめまいを覚えるので、もう少し見え方の解説付きでイージーなものがないか?と探していてこれらを見つけました。

 観望に際して余計な先入観を持たない、という意味では WDS カタログも良いのですが、あれを読み物として楽しめるだけ私は十分な経験を積んでいません orz

 

★「THE CAMBRIDGE DOUBLE STAR ATLAS」(全 170 頁程)は、星図と重星リストを 1 冊にまとめたもので、星図は星雲・星団も含めてかなり詳細に描かれており、星図単体としても充分過ぎる内容だと思います。

Book_double_star_2

夏の大三角付近

 星図上の重星は通常の表記に加えて若草色の併記があり眺めるだけでも楽しいですが、実用性も充分で赤色ライトの下でもちゃんと読めるのが有り難いです。

 2,500 有ると思われるこの若草色のペアを網羅した後半のリストには、多少の例外はあるものの合成等級で 7.75 等より明るい星(伴星は 13.5 等まで)が掲載されており、分離についてはその 9 割が口径 15cm でカバーでき、最も狭い角距離(アッベ限界 Ro=113/D で 0.5″より狭くないもの)には 25cm 以上が必要、というようなことがリストの冒頭に書かれています。

 リストは星座毎にまとめられていて、WDS カタログのように何の素気もないものもありますが、それに混じって有名どころやおそらくはそれなりに研究調査が進んでいるであろう対象については、それらについての軌道要素などが記されています。

Book_double_star_3

 "100% 近い確率で恐らく連星"といった表記も結構あってなかなかに興味深く、色々想像を逞しくさせて読む(見る)のが楽しいです。

 個人的に好きなフォント(Arial の仲間?)を使っているのもポイント高いです。


★もう一冊の「AN ANTHOLOGY OF VISUAL DOUBLE STARS」は、目次も入れると 470 頁ちょっとのボリュームで、前半の 50 頁くらいまでは諸々の基礎知識や、この本に直接または間接的に関わったであろう人達のことが書かれています(まだ全部は読んでいない)。

 重星は厳選された 175 個を掲載しており、おおよそ 1 対象に対して 2 頁を使って解説しています(たまに 3 頁有り)。

Book_double_star_4

一例 うしかい座Σ1785 のページ

 先頭は対象の物理的要素、次に発見の経緯(History)、現在の状況(Mordan Era)、観察(観望)についてのメモと近傍の重星情報(Observing and Neighbourhood)、そしてごく最近の計測情報(Measures)に分かれており、一つの重星にこれだけスポットを当てていることに驚くとともに、海の向うにも熱心な人達が居る(むしろあちらが本家!?)という嬉しさを一人噛み締めています。

 発見のくだりにはお馴染みのハーシェル一家や W シュトルーベの名前が有り、大口径とはいえ当時の青銅製の鏡や測微尺の性能を考えると、さぞや苦労が絶えなかったであろうと当時に思いを馳せるとともに、今こうして私達が楽しめるのも彼らの地道な観測があってこそで、改めて偉大な先達への敬意とそのめぐり合わせに心から感謝したいです。


タイムスリップできるなら彼らの傍で観測の様子を見てみたいものですね。


 重星ファンにはオススメできる 2 冊だと思います。

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